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教育長から

 

最 上 町 の 教 育 の 特 質(平成24年4月1日)

 

教育長 五十嵐隆一

 

 宮城県女川町の子どもが作った俳句。「天国と地獄の境はどこですか」。この句に応えられる術は私にはありません。ただ、この子が今少しでも前向きになっててほしいと願っております。

  友好的関係にある大船渡市三陸町地区の小学校も5校あったが2校が津波を被ってしまいましたので、目途がつくまで旧瀬見小学校で4月を迎えてもらおうと準備をしましたが、先生も保護者も「ありがたいがなんとかがんばってみます。」ということで実現はしませんでした。今は一つの小学校に2校が入り勉強をしています。三陸町地区の人々の子どもの未来のためにめげないという姿をこの胸に焼き付けておこうと考えました。  また、最上町に避難してくれた方々の避難当時の途方にくれていた姿と夏頃から勢いが出てきた姿から、「人間ってたいしたものだ」と教えられました。これは今後腰を落ち着かせて取り組まなければならないキャリア教育の原点だとも教えられました。

 

 ところで、今日本の教育制度は一部から大きく揺さぶられ始めています。その揺れの中に教育委員会制度があります。  最上町教育委員会は5人の委員(私も含めて)から構成され、定例の委員会、協議会、緊急の委員会、5幼児施設・8小中学校を訪問し授業を参観しての懇談会、最上地区教育委員会協議会での研修会、県市町村教育委員会協議会での研修会等年間30回程の会議を行い、次年度の町の教育の重点協議、条例・規則の改正協議や町の教育情報の把握と共有化。そしてその課題解決のために協議、人事決議、教科書採択、訪問指導、学校再編協議、次年度方針協議、地域懇談会、審査会等の仕事を教育行政として真摯に行っています。決して形骸化しているわけではありません。

 

 さて、現在の最上町の教育の特質は次のとおりだと考えています。先日、最上町に以前に校長として勤められ地元で勤務されている校長先生方と話をする機会があり、「最上町の教育は間違っていない。」「学校の統合の条件に複式になったからと再編を行う市町村があるが、複式授業も学習形態の一つに過ぎない。複式だから進めるというのは理解できない。」と、有難い話を聞きました。  教育長として、これまで複式学習を学校再編の理由にしたことはありません。 小規模校を大事にしながらいかに複式を充実させるかを考えてきました。しかし、22年度に瀬見小学校を、23年度には満沢小学校を数度の懇談会を行いながら保護者と地域の理解を得て閉校しました。そのため、最上町の小学校は 24年度には8小学校から6小学校となりました。最上中学校はそのままです。

小学生が474名、中学生が244名でスタートします。

  このような状況の中で最上町がどのような教育を進めようとしているのか、その特質をお知らせいたします。

 

 

特質①幼児から生徒までの12年間で教育を行うシステムが出来ている。

  子ども園、保育所、幼稚園の5施設で管理・指導を幼児教育課が行っている。
  5施設の保育・教育課程の一元化が図られ、町独自の「新幼児教育課程」が
作成されて、それに基づき特色ある5施設の保育・教育が実践されている。
  幼保と小の連携強化を具現化するためにスタートプログラム(スタートカリキュラム)が作成され、発達の連続性、学びの連続性を基盤にした緩やかな連携が強化されている。
  小と中と児童会生徒会との連携、小から中へ、中から小への児童生徒の訪問交流によって「つながり」を強化している。
  教育研究所と教育研究会、保育研究会での保育士や教員研修の充実をはかることで特色ある園所・学校づくりが行われている。
  幼保小中高管理職連絡協議会を昨年度から立ち上げ、連携を密にしている。

 

②ワークライフバランス支援の子育て支援策が種々とられている。

  幼児施設5施設の存在(地域に散らばっていることが何よりの支援)
  子育て支援センター「ひまわり」での親子保育・放課後児童クラブ・児童図書室・0歳児保育
  幼児施設での時間外保育(早朝、延長、未満児、0歳児保育)
  特別支援を必要とする園児には、支援員が就く。

 

 

③特別支援教育は本町はとくに充実している。幼児期から保育士・教員が発達障がいを勉強し、その障がいを保護者らの理解を得て適切な支援を行うことで、子どもの発達により良い結果を生んでいる。

  特別支援教育のコーディネーターやスーパーコーディネータを  育成し(幼保・小・中)、障がいを持った子どもの育成。
  特別支援教育を通して、豊かな学級経営や学力向上を図っている。
  各種教育相談員や健康福祉課や子育てNPOとのネットワーク  が広がってきており、内容も充実してきている。


④ キャリア教育(子ども達が社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれ個性・持ち味を最大限を発揮しながら、自立して生きていくために必要な能力や態度を育てる教育)を体系的に推進している。

  夢を持たせ進路意識を高める「もがみっ子づくり未来講座」
  小学校から職場訪問、中学校の職場体験学習、高校生のインターンシップ
  町の特色を授業に活かした福祉学習や環境学習
  社会教育と連動した地域の人々や専門家からのサポート学習
  総合的な学習の時間等で学習したことをまとめての地域貢献学習
  教師の力を伸ばすための授業の改善と学力の向上

 

以上のようなキャリア教育を通して、町を理解し将来住み続けようとする子どもを育てていく。

 

⑤ 小学校の小規模校の特色を最大限に活かす取り組みが行われている。そこにこそ教育の原点・地域の活力の原点があるから。

  自立した学習力を育成する複式学習の充実
  いろんな個性を引き出し、それが活かされる細やかな指導
  山大エリアキャンパスもがみの町の事業として、山形大学の先生を招聘して複式学習の研修

 

⑥ 町の賑わいに重要な役割を果たしている県立新庄北高最上校への支援と連携強化が行われている。

  生徒達が学校外で明るく生活できるために青少年町民育成会議の種々の応援と声がけの実施
  日本福祉大学との高大連携による最上町だからこそできる福祉学習
  全国に通じるAスキー選手の育成や木と音の会の協力による楽器づくりと演奏会など生徒の文化力の向上
  平成26年度からのキャンパス制度の導入による学校存続の決定

 

平成24年度、さらなる向上をめざし、この町に住み続けたいと考える子ども達を育て続けるため、最上(さいじょう)の子どもと町民の姿を追い求めていきます。

 


お問い合わせ先
   最上町役場 教育文化課
   電話 0233-43-2053 メールアドレスkyoiku@mogami.tv