基本構想
第2章 基本構想
1. 基本構想の意義
本計画の基本的な考え方は、「集落を最小単位とするそれぞれの地域が自立しながら連携して、最上(さいじょう)のまちをつくっていく」というものです。そのためには、最上町のめざす姿や地域の課題を住民で共有し、それぞれが果たすべき役割分担を具体的に示していくことが重要です。
基本構想は、本町の将来像(あるべき姿)を示した本町の指針であり、これらの役割分担を行ううえでの基本理念となるものです。
2. 最上町の将来像(あるべき姿)
最上町は周りを山々囲まれており、美しく豊かな自然に恵まれ、先人たちの残した誇るべき風土・文化があります。これらの豊かな自然と共生し将来にわたって、地域の人々が自らの夢を実現でき、住民一人ひとりが元気にあふれ、活気に満ちたまちづくりを進めていかなければなりません。
そのためには地域に住む住民が、心身ともに健やかで、励ましながら働き、たがいに地域活動に貢献し、一人ひとりが「元気とやる気」を持つことが本町活性化の原動力となるものであります。このことから、前述のさまざまな課題を解決し理想的なまちづくりを進め、町全体を一つの博物館に例えて夢を実現できるまちを創造したいとの思いを込めて本町の将来像を以下のように設定します。
人が元気 地域が元気 産業が元気
「キラリ輝く田園空間博物館の創造」
「人が元気 地域が元気 産業が元気」とは、田園空間博物館(注10)の根幹となる人が元気であること、人と人のつながりである地域が元気であること、経済の支えとなる産業が
元気であることが最上町の将来には欠かせないものです。
人が元気であるためには、安全で安心に暮らせること、人生にいきがいやゆとりを持て ることが必要です。
この元気を持続するには「働く場所があること」や「暮らしやすいといこと」など、人が生き生きと暮らせるまちづくりを進め、活力のある足腰の強い地域をつくり、産業の活 性化を図ることが重要です。
つまり、人・地域・産業が元気でなければまちは輝くことはできません。元気な人の周りにはさらに元気な人が集い、まちに賑いをもたらし、まちを元気にします。
しかし、「元気な最上町」は行政だけではつくれるものではありません。
人とまちが元気でいるために、また発展するためには地域でお互い助け合い支え合うことが重要となります。
第4次最上町基本構想では、「元気を持続し発展させるための視点」のまちづくりを住民と行政との協働で進め、自然、歴史、人、モノ、文化、産業等有形・無形の地域資源を利活し魅力的なまちづくり進めていくことから、将来に向けたあるべき姿を「人が元気」「地域が元気」「産業が元気」としました。
副題に「キラリ輝く田園空間博物館の創造」としたのは、本町の地域資源を、住民自らの財産として保全に努め、それらを有効活用していくことにより、一つひとつの資源が存在感を発揮し、地域の魅力を引き出し、教育や文化、産業振興、交流人口の拡大等につなげていこうとするものです。
また、住民一人ひとりがこれらの資源に関心を持ち、個性と協調性のある生き方を楽むこによりこの町に住み続けることに誇りを持ち、人生の質を高めていけるものと考えます。
3. 将来像を実現するための基本方針
これまでに整理した課題や町の将来像などをふまえ、まちづくりの基本的な方向として次の4点を基本方針をとします。
1. 人にやさしいまちづくり
(安全で安心して暮らせる、ぬくもりに満ちたまちづくり)
2. 食にやさしいまちづくり
(地域資源をいかした活力ある総合型産業の推進)
3. 環境にやさしいまちづくり
(総合的な環境基盤の整備による、持続可能なまちづくり)
4. 持続から発展のまちづくり
(住む喜びを分かち合い、住んでみたいまちづくりの推進)
(1) 人にやさしいまちづくり
経済大国といわれる我が国ですが、経済力に見合った豊かさが実感できないという声が大きくなっています。また近年の景気の低迷や本格的な長寿社会を迎えるにあたり、真に豊かで実りある社会を実現するための環境整備が求められています。国では、これまでの生産力の拡大・経済の効率化や画一的な国民の生活像を念頭に置いた政策を改め「多様な個人の幸福の追求という観点を住宅・社会資本整備に基本を据えた」施策の展開をめざし、「公共事業優先の視点を、高齢者、障がい者はもとより、子ども、女性等を含めた幅広いものへと転換」することを表明しています。
つまり、まちづくりは福祉環境整備の一環としての意味あいも持っており、今までの前例踏襲主義(注11)にとらわれない行政施策の推進が求められております。これらをふまえて、本町では「人にやさしいまちづくり」を実現するため、住民一人ひとりが豊かな人間性を培い、生き生きとした生涯現役生活が送れるまちづくりを目指した環境整備をすすめるために、以下の6項目を掲げ施策展開をしてまいります。
① 信頼関係に支えられたまちづくりの推進
② 子供を安心して産み育てられるまちづくりの推進
③ 豊かな心と高い知識を育む学校教育の充実
④ 郷土を知り、郷土を愛し、郷土を支える人づくりの推進
⑤ より積極的な健康に支えられたまちづくりの推進
⑥ 安全で安心して暮らせる環境の推進
(2) 食にやさしいまちづくり
本町は、古来より守り育てられてきた稲作中心の農村文化が今日も受け継がれており、今もなお、2,530ha(注12)という広大な農用地を有し、全世帯数の約4割を占める1,130世帯(注12)が農業に携わっております。
農業が持つ多面的機能(注13)を存分に発揮させながら、他の業種との連携・結合を積極的に進め、総合的な施策の展開を図ることにより、町内への経済波及を拡大し、活力みなぎる産業の振興が必要です。
「食にやさしいまちづくり」を展開していくには、生産者をはじめ経済団体や行政との“協働”よる産業活性化にむけた新たな施策や事業の展開が必要です。そのため加工・販売の専門性を有した人材育成を図るとともに、町内で生産された物に付加価値を加えそれを町内の事業者の物流に乗せ、それが消費再投資される循環型経済活動、すなわち「総合型産業システム」を構築し、雇用機会の増大及び所得の向上をはかることが必要であります。このため次の3項目を掲げて施策展開をしてまいります。
① 魅力ある農林水産業の推進
② 総合型産業の推進
③ 地域に根ざした商工業の推進
(3) 環境にやさしいまちづくり
少子高齢化が集落の隅々にまで進行するなか、住みやすい生活基盤づくりがこれからますます重要になっています。その重要なカギとなるのが、生活と密接に関わる「道路網の整備・管理・冬期間の交通の確保と道路沿線住宅の雪処理対策」、「水道未給水地区の解消」、「生活排水処理対策」、「循環型社会の構築」、「火災や地震など自然災害の対策」、「防犯や交通安全対策」などです。
以上のことから「環境にやさしいまちづくり」を促進するために、次の3項目を掲げ施策展開をしてまいります。
① 生活基盤環境の整備促進
② 環境保全対策の推進
③ 資源循環による低炭素社会の推進
(4) 持続から発展のまちづくり
我が国では人口減少化の時代に入り、少子高齢化がますます進行し、経済的にもかつての右肩上がりの時代は終わり、低成長あるいは世界的な経済不況の中で、地域間競争が激化しております。また、それにともない人々の経済的な格差が拡大し、社会的な不安定さが増してきています。
これらの深刻な状況に対応し、将来にわたって本町を持続発展させ、そして住む喜びを分かち合い、住んでみたいまちづくりを推進することができるかが、これからの大きな課題となります。
以上のことから「持続から発展のまちづくり」を促進するために、次の3項目を掲げて施策展開をしてまいります。
① 雇用の促進と若者定住対策の充実
② 地域コミュニティの強化による、地域からの発展
③ 交流拡大・観光振興を通した活性化の推進
4.施策の体系・大綱
4つめのまちづくりの基本方針により、行うべき施策の体系を「施策の大綱」としてまとめ、まちづくりを展開していきます。
5. 主要指標の見通し
(1) 人口の見通し
本町の人口は、平成17年度(2005年)国勢調査値によると、10,761 人となっています。本町が誕生した昭和29年度(1968年)の総人口17,439人と比べて△38.3%と大きく減少しています。
全国的に長期的な人口減少に向かうことが予測される中、本町におきましても人口減少は今後も続くものと考えられます。
このことは、町の活力並びに住民の暮らしに重大な影響を及ぼすことが予想されます。
しかしながら、減少傾向に歯止めをかけ上向きに転じていくことは想定しにくい状況であります。本計画ではこうした認識に立ち、地域活力の維持・向上に向け人口減少適応策の推進とともに、人口減少抑制策を強化していかなければなりません。
これらの状況を勘案し、人口推計予測では(表1)に示したとおり第4次総合計画の最終年次の平成32年(2020年)は1,457人減(平成22年対比)8,543人ですが、各種施策を展開し減少率の抑制に努めることにより、今後10年間の人口減少を約半分の700人にとどめ、平成32年の総人口を9,300人と設定します。
(表1)総人口、年齢3段階別人口 (単位:人・%)
| 区 分 | 平成7年 | 平成12年 | 平成17年 | 平成22年 | 平成 32年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総人口 | 12,174 | 11,483 | 10,761 | 9,999 | 8,543 |
| 人口増減率 | - | △5.7 | △11.6 | △17.9 | △29.8 |
| 0~14歳 | 2,141 | 1,746 | 1,428 | 1,179 | 848 |
| 15~64歳 | 7,303 | 6,667 | 6,118 | 5,708 | 4,401 |
| 65歳以上 | 2,730 | 3,070 | 3,215 | 3,112 | 3,294 |
| 高齢化率 | 22.4 | 26.7 | 29.9 | 31.1 | 38.6 |
| 世帯数 | 2,913 | 2,865 | 2,822 | 2,782 | 2,692 |
| 1世帯当たり の人員 |
4.1 | 4.0 | 3.8 | 3.6 | 3.2 |
(2) 就業人口の見通し
就業人口も人口減少とともに減少傾向が見込まれ、就業構造基本調査を基に推計すると平成32年の推計総人口は8,543人ですが、その内就業している人は(表2)に示しとおり4,500人(就業率52.7%)と想定されます。
このうち、第1次産業就業者人口については、高齢化の進展や後継者不足等が懸念されますが、他産業からの移行により現状の就業率を維持するものと想定されます。
第2次産業就業人口については、長引く経済の低迷及び国の産業政策転換による影響から就業率は減少するものと想定されます。
第3次産業就業人口については、微増ながら就業率が増加するものと想定されます。
しかし、今後、各種施策を展開し、人口減少の抑制に努めること並びに国の産業政策の転換などにより、産業別就業人口は変動することも予想されます。
(表2)産業別就業人口 (単位:人:%)
| 区 分 | 平成2年 | 平成7年 | 平成12年 | 平成17年 | 平成22年 | 平成32年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 総数 | 就業 者数 |
6,496 | 6,157 | 5,664 | 5,318 | 5,020 | 4,500 |
| 構成率 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | |
| 第1次 産業 |
就業 者数 |
1,751 | 1,132 | 779 | 876 | 910 | 920 |
| 構成率 | 27.0 | 18.4 | 13.8 | 16.5 | 18.1 | 20.4 | |
| 第2次 産業 |
就業 者数 |
2,510 | 2,648 | 2,509 | 2,111 | 1,815 | 1,495 |
| 構成率 | 38.6 | 43.0 | 44.3 | 39.7 | 36.1 | 33.2 | |
| 第3次 産業 |
就業 者数 |
2,235 | 2,377 | 2,376 | 2,331 | 2,295 | 2,085 |
| 構成率 | 34.4 | 38.6 | 41.9 | 43.8 | 45.7 | 46.3 | |
| 就業率 | 51.8 | 50.6 | 49.3 | 49.4 | 50.2 | 52.7 | |
(平成2年~平成17年は国調・平成22年~平成32年は就業構造基本調査を基に推計)
6. 施策展開へ基本的考え方
(1) 最上町の目指す自治
近年、住民の価値観も大きく変化し多様化してきています。このような中で、将来を見据えた上で、「自治」というものを根本から見直すことが必要となっています。
自治とは、「自分たちのことを、自己の責任において、自分たちで行う」ことです。地域主権、財政状況の変化、多様で複雑化する要求要望、国際化する諸問題等は、本町においても例外ではありません。
従って今までのように行政が主体となって自治体経営を進めるのではなく、住民、自治会、各種団体、NPO、企業、行政など、地域で暮らし活動している多様な人々が、価値観の違いを認め合いながら合意形成を図り、地域の課題や理念を共有し、地域づくりを実践していく「住民自治」へと変革していく必要があります。
以上のことから、このような住民自治を目指すことが長期的に地域の「やる気」と「元気」が持続して、好循環が生まれるものと考えます。
(2) 町行政が担うべき役割
このように地域経営という観点から自治を見直していくためには、町行政が担うべき役割も見直していく必要があります。
これからの行政の仕事は、基本的に主役である住民が、地域づくりを実践しやすい環境を整えることを中心に考え、地域の将来を見据えながら、より良い地域社会をつくるためのコーディネーター的役割(注14)へと変革していく必要があります。
また、住民が安心して生活ができるように、町行政としての重要な役割であるセーフティネット(注15)などの最低限の保障や環境整備をしっかりと担っていく必要があります。
7. 協働によるまちづくりの推進について
(1) 協働によるまちづくりの必要性
(ア) 住民の要求要望の多様化・高度化の進展
少子高齢化、情報化等が進展し、住民の生活様式も大きく変化し、社会的な要求・要望も多様化、高度化し続けています。
町行政は、今まで各種の住民の要求要望の対応に努めてきましたが、更に広範に渡る住民の要求要望を満たすには、地域や民間の活力を導入する必要があります。
(イ) 地域コミュニティ活動の拡大
都市化の進展とともに地域住民間の地縁(注16)的連帯意識が希薄化してきている傾向がみられますが、その一方で多くの住民が自治会等の行う地域コミュニティ活動に参加することが求められています。
そして、これまで以上に地域住民がお互い協力して、身近な地域環境づくりなどに取り組み、地域住民の生活向上に努める必要があります。
(ウ) 直接的な行政参画意識の高揚
環境基本計画、高齢者保健福祉計画、次世代育成支援対策行動計画等の策定など、政策の計画段階における住民の参画が進んでいます。また、各種行政委員会委員への応募など住民の直接的な行政参画意識が高まってきています。
今後は、住民と町行政が良好な協力関係を築き、住民自らが政策立案し、更には、政策実行にも積極的に参画することが求められます。
(エ) 地域主権の進展
地域主権の進展に伴い、国・県からの権限移譲が進み市町村は、自己決定・自己責任のもとで自ら政策を立案し、自ら実行する能力が従来に増して求められています。
国の画一的な政策の選択ではなく、住民が行政政策を身近なものとして捉え、住民の知恵と力を結集し、より住民の意思を反映した独自の政策実行が必要となっています。
(オ) 効率的な行政経営の推進
経済低迷が続く中にあって、税収の減などにより町の財政状況も一段と厳しくなる状況にあります。
今後、限られた行政資源(人・物・財)の中で、更なる行財政改革を推進し、住民の満足度を重視した簡素で効率的な町政運営を図っていきます。
(2) 協働によるまちづくりの基本的な考え方と目指す方向
住民個人と地域、そして町行政の関係は、「住民個人、地域組織の自主性を尊重し、可能なことは任せて、困難なときは行政が補完する。」ということを基本とします。
なおこの場合、住民と町行政は、お互いに理解し適切な役割分担のもとにまちづくりを進めることが重要です。
今後は、町行政が公共・公益的なサービスの全てを提供するということでなく、住民の知恵と力を結集しながら、住民と町行政が共通する目的のもとに公益的な活動を行う社会の実現をめざしていきます。
そのために、自治会、各種団体、NPO法人等が自立して活動しやすい環境を整備し、住民が自主的、意欲的にまちづくりへ参加できる体制づくりを促進します。
8. 町土の利用に関する基本方針
町土(注17)は、生産と生活の場であり、豊かな自然環境や美しい景観を有し、住民への潤いと安らぎの提供など多面的機能を有する住民共有の財産であります。
また、現在と将来の住民のための限られた資源であることから、町土の利用に当たっては、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配慮して、健康で文化的な生活環境の確保と町土の均衡ある発展を図ることを基本理念として、総合的かつ計画的に行われなければなりません。
この場合、町土をめぐる基本的条件の変化を十分に考慮し、住民の理解と協力のもとに進める必要があります。
そして、子供から大人までの幅広い世代の住民一人ひとりや、住民団体、NPO、企業、行政といった多様な主体の共助・互助による町土づくりにより、先人たちが築き、育てあげてきた資産である町土を、守り、育て、活かし、将来の世代に良好な状態で引き継ぐ「持続可能な町土の形成」を図っていきます。
このホームページへのお問い合わせ
最上町役場 まちづくり推進室電話 0233-43-2261 メールアドレスmachizukuri@mogami.tv

